人に嘘を話してしまった

久しぶりにやってしまった。

どこかのよく知らない情報源を確認しないまま鵜呑みにして、「ベランダは近代建築の有名な人の発明」「ベランダは当時斬新だったのかもしれないけれど、今は当たり前に使われている」などと話してしまった。

それ「ピロティ」の間違いだと思うし、ピロティが当時斬新だったのかどうかは調査の余地があるはずなんだけど…

実際に調べてみると、ベランダ、バルコニーテラスの類は古くからある。
結局ベランダだけに関しては遡れなかったけれど、インドの方の言葉っぽいのが分かっただけ…

手を広げ過ぎると些細なきっかけから大きなミスを犯してしまう、という好例

地道に図書館を使うことを、常に選択肢に入れること

渡辺「確率と統計」⓪軽めの感想、ぼやき

確率と統計 - 情報学への架橋 - | コロナ社

「気になっている著者の本を見かけてしまい、つい買ってしまった」というやつ。

「数学科向け」との評価をどこかで目撃した気がしたので戦々恐々としながら開いたけれど、多少解析学に入門してる*1なら数学科じゃなくても勧められる予感。

最初はそのページ数の少なさ、薄さに対しつい不安を覚えてしまったけれど、その薄さは内容の薄さではなく簡潔さの表れだと思う。まず最初の方の用語導入の明確さ、かつ無駄のなさ*2が尋常じゃないし、読み流しする分には行間は少な目では*3
今まで見た確率密度や確率変数の定義や説明をスムーズに呑み込ませる気が無く独学者や入門者に対するあまりの不親切さから放り投げた数多の確率統計本と比べて圧倒的にわかりやすそう。

これの次は挫折したっきり放置してる竹村『現代数理統計学』か清水『統計学への確率論、その先へ』、それか他の渡辺本や統計検定の本(疫学とか心理学のやつとか)を読んでみようかと思う。

 

「お前一応建築系に向かってる気配なのに、なんで確率統計やってるの」かって?
・木材を統計的に扱って評価してる文献*4をスラスラ*5読めるようになりたい。
・知る範囲で社会科学心理学化学生物学医療系すべてで統計学が重要だが、建築学ってたまにその辺と接点を持つので…
・建築系諦めても退路を確保するため。つまりデータ系のサイエンティストその他への道を少しでも残しておきたい。
ツイッターで頻繁に統計学機械学習の話題が流れてきてコンプ拗らせまくってる流行遅れになりたくない気持ちが強くなってきたから
あたりが主なモチベーションになっている*6

 

なお、これ書いている時点ではまだ2章読んでるところなので、読んだ記録を順次上げていければと思う。毎日読めるかな~?*7

*1:学部レベルのやつに触れてたことがある程度。解析学微積分の違い?う~ん断言できないけど集合位相や実数の公理系にある程度触れてるかどうかの違い…とか?触れてると解析、ノリで極限やってると微積分…

*2:一見無駄な箇所や逆に行間がつらそうなところは補足的説明やQ&Aでいい感じの誘導が試みられている。

*3:ムスカラピュタ中枢内部のコンソールに飛行石かざしながら文字を光らせ、軍の上層部まで巻き込んでラピュタ行きの「許可」「資格」「手段」「契約」を確保する片手間に独自研究で作成したメモを片手に「読める、読めるぞ~」と漏らしていたが、良書(主観)を読むときはそんな気分になりがち

*4:そのような資料が実際に「ゲンバ」でどの程度役に立つのかは悪い意味で未知数だが

*5:これ大事。一段上の自分に進化してスラスラ読みたい。「進化する」←この部分が特に重要

*6:主に4番目だろって揶揄ってきた不届き者に対しては脳内の家来たちとともに出合え出合えしてやるから覚えてろ~

*7:歯磨き上手かな~?のノリ

建築地図系の書籍、サイトの一覧

主に自分用メモ
順次追加・修正の予定
掲載されている建築の中には個人宅などプライベートなもの、貴重な文化遺産なども含まれるため、相応の作法を伴って見学すること。

 

・ギャラリー間 建築MAPシリーズ
古め&有名
コラムがいちいち切れ味高めで面白い。何かと戦っていらっしゃる…
たぶんここに上がってるものがすべてだと思うが、なぜか中部圏とか一部地方のものは見つからなかった。なぜ?
miniって書かれてるものはサイズ違いらしく、Amazonのレビューによるとminiじゃない方と内容に差異はないらしい(筆者未確認)。

建築MAP東京|企画・編集=ギャラリー・間|TOTO出版

建築MAP東京[改訂版]|企画・編集=ギャラリー・間 |TOTO出版

建築MAP東京・2|監修=五十嵐太郎、乾久美子、小川次郎、藤本壮介、吉村靖孝 企画・編集=ギャラリー・間 |TOTO出版

建築MAP東京mini|企画・編集=ギャラリー・間|TOTO出版

建築MAP東京・2mini||TOTO出版

建築MAP京都|企画・編集=ギャラリー・間|TOTO出版

建築MAP京都mini|企画・編集=ギャラリー・間 |TOTO出版

建築MAP北九州|監修=片野博、土居義岳、出口隆 企画・編集=ギャラリー・間|TOTO出版

建築MAP大阪/神戸|企画・編集=ギャラリー・間|TOTO出版

建築MAP横浜・鎌倉|監修=小沢朝江、吉松秀樹、米山勇 企画・編集=ギャラリー・間|TOTO出版

建築MAP九州/沖縄|監修=石田壽一、小川次郎、高木正三郎、太記祐一、長田直之、本江正茂 企画・編集=TOTO出版|TOTO出版

 

・建築グルメマップ
古め
未読
なぜか中部と関西圏のは見当たらなかった。

東京を歩こう! 建築グルメマップ (1) 東京編 (エクスナレッジムック)

九州・沖縄を歩こう! 建築グルメマップ (2) 九州・沖縄編 (エクスナレッジムック)

北海道・東北を歩こう! 建築グルメマップ (3) 北海道・東北編 (エクスナレッジムック)

 中国・四国を歩こう! 建築グルメマップ (4) 中国・四国編 (エクスナレッジムック)

 

・デザインマップシリーズ
こういうジャンルに関心がある人にとってうれしい本。

環境デザインマップ 日本 | 建築関係書籍 | 総合資格学院 出版サイト

構造デザインマップ 東京 | 建築関係書籍 | 総合資格学院 出版サイト

STRUCTURAL DESIGN MAP TOKYO | 建築関係書籍 | 総合資格学院 出版サイト (英語版)

構造デザインマップ 関西 | 建築関係書籍 | 総合資格学院 出版サイト

 

・構造デザインガイドブックシリーズ
未読
めちゃ欲しい

世界の構造デザインガイドブックI - 建築技術 技術者が育て 技術者を養う 建築技術

日本の構造デザインガイドブック - 建築技術 技術者が育て 技術者を養う 建築技術

https://www.aij.or.jp/gakujutsushinko/b-a00/bj00-12/bj50-12.html これは本のリンクではなく、『世界の構造デザインガイドブックⅡ』が出るかもという予兆

 

・その他
だいたい未入手
気分で追記していく

X-Knowledge | 東京建築さんぽマップ 最新改訂版

X-Knowledge | 京都・大阪・神戸 名建築さんぽマップ 増補改訂版 版が新しくなると名前が変わったりしててややこい

X-Knowledge | 神戸・大阪・京都レトロ建築さんぽ たぶん↑のと別物だと思う。わからない。ややこい。

X-Knowledge | 東京建築ガイドマップ~明治・大正・昭和~ 2025年2月4日新装版発売

 

 

感想

ギャラリー間のシリーズの印象が強い
古いものや絶版のものはAmazonや古本屋で安く入手できると思う。
版が新しいもののほうが新しい建築や地形に対応しているだろうから、ナウで売ってるものは普通に新品を入手するのが無難。

 

 

・建築地図っぽいもの
使っていくうちに判明した使い勝手やメリットなどがあれば、その都度追記

新建築マップ 会員登録必須。本名、生年、都道府県などを入力。登録時はメールを使って認証。

建築マップ | マップ 建築の種類ごとに記号が振られてるのでわかりやすそう。

archimap.info

ArchMap ↑とは別物だと思うが詳細は未確認

https://brutus.jp/architecture_map/

 

・ウェブサイト

日本建築めぐり | 建築パース.com めちゃくちゃ充実

建築物紹介サイト【ARC STYLE】 東海地方を中心に、全国の建築物を紹介 めちゃくちゃ充実

ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録 探訪ブログ

トーキョー建築トリップ | 建築好きによる、ちょっとマニアックな建築・街キュレーションサイト 名前に反して東京以外も載ってる

 

 

特にウェブサイトは上げていくときりがないので、ここに追加する作業の一部を自動化できたらいいなと思う

松本多様体

https://www.utp.or.jp/book/b302120.html


通称「ラノベ」と呼ばれるラノベ数学書

ラノベって言ってんのは数学科でイキってるやっていっけている賢しいお坊ちゃん賢い御仁だけだと思うし、そもそも数学科行ってない人が数学書読むなんて機会なかなかない*1*2ので、数学科で写経修行授業受けてる前提のラノベ判定だと思った。

 

例えば「実数軸上の関数」「集合族」を耳にしたら筆者のようなパンピーでは「んんんんんぁぁああああああああああああああああ!!!!」って悶絶する。でもそういうイチゲンサンオトコワリ門前祓い格調高いフォーマルなお言葉を目にしてもいちいち拒絶しないで「ああこういうことにゃんね~」「にゃんにゃん♡」ってぶりっ子可愛さを崩さずスッと飲み込める人材とか、「そもそも普通の微積分のグラフって実数から実数への関数を2次元ユークリッド空間上の曲線として…」とかそういう生まれついて"新人類"にインプットされている知識のセットアタリマエのことに対しても明瞭で具体的な説明を適切な言葉で与えることを可能とする知的レベルをお餅の人材向けの「わかりやすい説明」ということなのだと思う。
それか「これ進研ゼミ/マセマティカ/絵本/親の書斎で見たやつ!」って感じであらかじめインプリンティングされている人向けの「わかりやすい説明」ってことなんだろう。
ともかく、松本多様体では多様体用語と主な定理とそのお気持ちの「わかりやすい説明」を徹底している様子は見受けられはする。けれど、あまりに愚直なやり口すぎて、わかりやすいってそういうことじゃないだろ、知的ギャップってそういうことじゃ埋められないだろう、ただくどくした文の量多くしただけじゃん、その文量多めの説明読んで分かる奴は多少の時間かければ線形代数微積分の知識だけを使って自力で「わかり」に到達できるんじゃねとか、いろいろ不満がある。何のモチベ維持にもならない長々しい説明*3
でもそれって限られた人*4に最適化された「わかりやすさ」でしかないのは明らかなので、ラノベ連呼勢*5はもっとその点自覚してもいいんじゃないかと思う。

そもそも数学科の人は一年時に集合位相というほか学科がやらんような科目をやらされると風の噂で聞いたことがあるけれど、他学科のやたら説明不足*6な「微積分」の授業に比べれば「なんて親切な前置き」*7と思うくらい、基礎の話にしつこく触れくれるらしいのだ。大学時代をそういう時間に費やすことができるのなら夢みたいだと思うけれど。

一様収束?点列?コンパクト?なんて?*8実数の公理って?*9とか言う大事な話を駆け足で行うと、基礎が疎かなまま証明文を文字通りの写経をさせられることになる。20代前半までの一般人の国語力で数学の証明文を「理解」するのって無理筋*10だと思うんだけど、大学の先生っや数学徒って高校までの国語教育を糾弾しがちな傾向があることと*11関係がありそう。

これ読んでる人になんで大学数学をみんな(誰?)嫌がってる*12のか、なんで数学徒が怖がられてるのか、漠然と伝わってくれればいい*13けれど、あれも悪いこれも悪いって言うばかりでは芸がないので、過去自分がやった多様体勉強法をざっくり書こうかと思う。

とりあえず多様体って広い話題とつながりがあるし、勉強をしたいなら、何がしたいのかを明確にすること。全て知るのは現実的に無理
形状について興味があるなら微分幾何、球面上の関数について知りたいなら表現論…
キリないんだよなファック
どこ行くにしても微積線形集合位相は知っておいたほうがいいから、その辺ざっくりやって、「あー飽きただりー」ってなってから松本多様体を読むといいんじゃないか

飽きてる人にとってはいいカンフル剤になってくれるはず
松本多様体については、文字通りラノベラノベとして読めるような自分に到達できている*14ことを確認しがてら半分くらいまで読む(1の分割か微分形式とからへんまで)
数多いる松本多様体レビュアーたちが言っている通り、この本はあくまで多様体の用語を丁寧に説明するのにかなりの尺割いているだけの本なので、その先の応用の話はあまり充実してない。例えば、微分形式については筆者的には他の本のほうが相性良かった*15ので、半分くらいまで読んだら「卒業」して別の多様体本に手を付けてみていいと思う。
プリティでピュアピュアなマスの人たちは志賀多様体*16とか服部多様体*17勧めてくるけれど、自分は図や例が豊富な坪井多様体*18、不思議と頭に入る文体(理由は不明。なぜ?)のトゥー多様体*19が筆者的には良かった。なんか知らないけれどトゥー多様体の読みやすさは個人的に圧倒的だった。高いことを除けばパーペキだった。多様体の本は他にもいろいろあるので、ラノベ松本多様体やプリティでピュアピュアなマスの人たちによる偏った選書に振り回されず、大学図書館とかでデムパ電波の波長が合う好みに合うものを見つけるまで試し読みするのがいいと思う。
その先は興味関心のある分野で都度都度ググって資料を探していくのがいいんじゃないか…

 

というわけで、本題に戻ると、すでに「位相のこころ」*20を知ってる人向けのラノベなんだよなぁという

でもお気軽にラノベラノベって言うけどメディアミックスラノベてかノベライズは舞城王太郎みたいな文学シャン(文学も書ける有名な著者)でもないと原作知らん勢は読まないでしょ…

それと同じ(?)で、松本多様体も松本さん知ってる数学徒か集合位相と数学部の解析学(つまり原作)知ってる人向けのノベライズ*21って考えないと、ラノベって文字列に目をやられてムスカのように海に墜落して氏ね死ぬ

今日も数学者のことラノベラノベって連呼してるyou、そう、ユーだyo。ユーはそうやって目に見えない人たちをバッサバッサと殺すことで、数学の間口を狭めてハラスメントの温床を次世代に遺していく…

*1:エンジニア「俺読んだけど??」←なかなかないって言ってんだから「ああ俺稀に見る人材だったんだな~承認~」って黙って脳内補完してほしいんですけど~~~~?

*2:情報系の人で統計多様体のこと知ろうとしてる」とか、「モノづくりやシミュレーション系が高じてしゃーなしに現代幾何学に触れようとしてる人以外は」などとわざわざご丁寧に具体的な断り書きつけたほうがいいのか??

*3:「贅肉だらけの文章書くてめぇ(筆者)がそれ言うのかよスットコドッコイ」って思われるだろうけれど、松本多様体くどさに関しては筆者のそれととどっこいだと思う

*4:焦点ぼやけた例だと文字を読める、とか。焦点合わせた例?上の方で「数学科の授業受けた人向けのわかりやすさ」みたいなこと書いた気がするんだけど…

*5:もはや化石。インターネットの治安が今とは違った意味で悪かった、あるいは自由だった時代の産物。

*6:何が説明不足かって、わざわざ数学科しか使わなさげな、学習コストがそれなりに高い概念(使わなさげなのであって使うと言えば使うんだろうけど、何人使った?本当に必要?)を中途半端な導入で習得させにかかってるところ…

*7:親切?時間をかけているうえに彼らは数学以外のことをあんまり勉強しないがちだから当たり前なんだな、これが…工学部の人間の気持ちとか多分考えたことがない。「傍線部の気持ちを考えましょう」は作者の気持ちを考えろとはノットイコールなんだから文句をつけないで多少はできない人の気持ちを考えてほしい。アカデミアの風通しを良くしたいんじゃなかったっけ?パワハラ受けて心神喪失しちゃったよ~って脳内彼女に泣きついてたじゃん。

*8:それらの用語を導入するとなにか利便性が高まるゥんですか?距離空間位相空間っていうまるで別モノを指すかのようなその実似たもの同士を指す言葉がありますが、この二つの区別はどういうときに重要になるんですか?二位じゃダメなんですか?みたいな疑問を解消する時間的コストを支払える人間は少数派だ。※ネットで目立つ「数学情報」がEmanかときわ台か教授のサイトくらいしか見当たらなかった時代の話

*9:それ満たしてる体系は本当に実数と呼べるの?あと実数だけに限られるんですか?

*10:筆者の自己紹介になってしまっている

*11:実際糾弾される程度の問題点を孕んではいると思うが

*12:今の大学生はそうでもないかも。自分くらいの世代までのドクサだと思って聞き流して…(じゃあ書くなよ)

*13:まるで説明できてない…

*14:大事なことを言うと、筆者は年数回しか教科書開いてないのでそんな状態に到達したことが無い

*15:筆者の場合は、まず高校のときに物理の先生が低次元の微分形式使って要所をわかりやすく導入してくれたという歴がありつつ、機電系の電に進学したので、電磁気を一年次から習得「させられて」いた。つまりストークスの定理について頭に入っている前提で松本多様体をやった。数学科ではどうも逆らしい。というかそっちのほうが変な先入観無くてスムーズに勉強できそうで羨ま死刑。で、微分形式の本については、和達「微分・位相幾何」の微分形式の項目が、低次元ユークリッド空間中の話題に絞られてて(確かそうだったと思う)筆者的には好みだった。どうせユークリッドさんにウメコミするじゃん?(しない?できない?課金して必要な知識盛ればいいじゃん。今は多様体本の話してるの!)フランダース微分形式の理論」は有名だけど、買った当時読みにくくて積ん読し幾星霜…

*16:岩波基礎数学のやつ。元のシリーズは半世紀くらい前。 https://www.iwanami.co.jp/book/b583348.html

*17:同じく半世紀くらい前に出た本の増補版。昔は手のひらくらいのサイズのシリーズで出てたはずだけど、装丁とかに賛否両論ありげな岩波オンデマンド入りしてしまった https://www.iwanami.co.jp/book/b559559.html

*18:前の二つと違って絶版してないよ!書店で割と売ってるよ! https://www.utp.or.jp/book/b302232.html

*19:分厚くて高いから図書館や人から借りて読むのがいいと思う。原著を嫁?数学研究者になるつもりはないので原著厨は黙ってて。 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1586-3.htm

*20:そういう名前の本がある。 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480089571/ いつだったか、「一刀斎というあだ名が痛々しい」って内容のツイートを見たけど、わかりみがある

*21:続編かつ合作、つまりダクソ2や、とある外伝バーチャロンって例えのほうが普通に例えとして適しているが…

「英和 ビジュアルディクショナリー 分解博物館21」

https://www.amazon.co.jp/%E8%8B%B1%E5%92%8C%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%88%86%E8%A7%A3%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A821-DORLING-KINDERSLEY/dp/4810425436

Amazonで安かったので買ってしまった。

地理学のイラスト、生き物の解剖図や写真、機械の分解写真だけじゃなくて、スポーツの図説まである。察しの通り列強(言い方…)に傾いている*1ものの、アジア圏の情報が皆無というわけではなく、彼らなりに拾える部分に関しての内容は盛り込まれてると思う。
建築系も充実してて、土や木でつくられた模型(だと思う)の写真に部位の用語や図説が書かれている感じ。ゴシック建築は4ページ、見開き2ページ分も割かれてるので、リブ・ヴォールトやピナクルとか、建築系じゃない人の会話であまり耳にしないような語彙を覚えるのに重宝しそう。
とても分厚い百科事典の様相なので、必要になったページだけ個別にコピーするのがいいと思う。
例えば自分は、ナウで読んでる建築史の本*2に出てくる建築の部位の名称を参照するのにそれらコピーを補助的に用いることを考えてる。わかんなくなるたびに図を描くのが効率的、ってこだわりの強い時代錯誤のアナログ派上の世代*3の人たちに言われそうだけど…

こういう本が子供のころに家にあればよかったなと思う。6000円代で勉強目的なのだから、頼めばギリ買ってくれた…はず。

 

一方で、この本が出た1999年以降を境にネットが一般人に爆発的に広まったように思う*4し、パソコンに落として閲覧し、検索機能まで備えてるタイプの百科事典アプリも現れていた。
紙の百科事典は場所をとるだけのお荷物だと勘違いされる時代の幕開けだったのかもしれないし、図説のために実物を分解したり模型の写真を用いるのは偉い人から非効率認定されるようなやり方なのかもしれない。当時はフィルターバブルとかインプレゾンビって用語が無かった頃で、グーグル検索も素晴らしかった*5ので、仕方ない部分はある。

子供のころ、父が共用のPCにエンカルタ総合百科みたいな名前のアプリ百科事典を導入してくれたので、好きに使わせてもらっていたのを覚えている。当時は宇宙に興味があったものの、周りにそういうのに詳しい人がいなかったので、「恒星」「ブラックホール」「冥王星」などの限局的な項目だけを*6しつこく読んでいた。何も知らない子供が何の補助線もなしで百科事典を読むのって効率悪い教育だったのかもしれない。

色々あったけれど、なんか今は紙の本の時代が再来しつつある…ように見える*7

さすがに石板まで回帰する雰囲気ではない*8けれど、一定程度信頼できる情報が一定の出版社の一部レーベルから本の形で生産されている間は、本を読むことをやめないと思う。

 

 

 

*1:「そもそも西洋列強で博物学とか百科が生まれたんじゃね」って言い草の声が空から聞こえてきたんで言っておきたいが、そうやって歴史の偶然性を無視してあたかも「必然性を自明視」するかのような誘導をして西洋が無駄に強いかのような印象を(結果的にであれ)流布するのはどうかしてる。いや強いんだろうけど、今の文脈だと西洋列強の西洋はいらなくて、ただ列強であればそういうものが生まれただろって思わないでもない。

*2:https://bijutsu.press/books/3172/ カラー版西洋建築様式史の古い版のやつ

*3:「こだわり強い」に関しては筆者も割とそうです生きてて申し訳ありません

*4:筆者の頭の中では大学の先生がイーサネットでわちゃわちゃしてたらしいのは1980年代当たりの印象で、90年代くらいから一般人も金積めばインターネット見れて、2000年代からは金そんなに積まなくてもアクセスできるようになった

*5:※かつての栄光、思い出補正、何かしらの認知バイアス

*6:ユニバーサルなプロブレムにクリティカルなソリューションを与えるためじゃなくて、ただ単にかっこいいだけの言葉を求めて

*7:認知バイアス

*8:例えば、ナノメートルオーダーの刻みを入れた水晶に太陽光を通すと立体映像が生成されるような、記録媒体と再生機を兼ねた堅牢で携帯性に優れたデバイスが出たら別だが

五十嵐編「建築学生のハローワーク」

https://www.shokokusha.co.jp/?p=3623

建築士取ってからが本番」というありがちお説教ありがたいお言葉*1の真意を、具体例に触れつつ比較的少なめのSAN値低下と引き換えにざっくり確認できる本だと思う。

建設系に従事する人の数は500万弱らしい*2のだが、製造業でも建築関係と縁が深い会社も少なくなさそうなことを考えると、もっと多く見込めるはず。それら人々がどうやって働いているのか、学生や初学者だとイメージがしにくい*3ものだけど、この本は2009年時点での*4多様な働き方の例が多数取り上げられている。

ゼネコンからスピリチュアル系に転向した人の話もあって、非常に面白かったけれど、うーん…何も言えない、自分は霊障を観測できない体質だから…。

就活や転職をする建築勢に勧めたい本だけど、そもそも建築系でうまくやれるような認知能力*5をお持ち*6なら(自分はお餅ではないので買って読んだ)手に取らなさそうな感はある*7。そもそも建築系向けの就活本があふれてるってことは、「みんな困ってる」、つまり、社会では建築系のアカデミア出身人材や高度人材は飽和してて(社会問題など取り組むべき課題はあるらしいが)、絶妙に「いらない子」扱いされがちな現実の片鱗が見える。賢い就活生なら振り切ってスター建築家目指すか、「スコップを売る」ような仕事を新たに作るか、情報系を目指すかなんだろうな…

憂鬱になってきた。就活本を読んで深く考え始めると、そもそも建築系の大学出てない自分が建築業界で生き残る方法などどこにも無いことを突き付けられる。かといって建築諦めて情報系行ってもどうせ事情は変わらない。職場内では能力トントン同士が空気の読み合いで消耗戦してて、本当に疲れる。

第一線の研究者や技術者との人間関係形成に成功しているなら、正直、生活保護取得して好きに探究するのが一番割がいい。ただ、職場に身を置くメリットの一つに、鮮度と濃度と信頼性の高い情報を口コミレベルで手に入れられる可能性、が挙げられるだろうか。消費者レベルより質の高い情報を早く入手したいなら、働いたほうがいいのかもしれない。高度人材がいる職場で働いたことがないし、そういう世界の住人とは何年も連絡してないからわからないけれど。

*1:本の趣旨に寄せるなら「スターな意匠建築家以外にも建築学生の進路はたくさんあるよ」「建築士資格関係無くできる仕事も多いよ」が正しいけれど、つい愚痴を…

*2:

産業別就業者数|早わかり グラフでみる労働の今|労働政策研究・研修機構(JILPT)

*3:だから四季報とか業界研究本を読めって言われるのだろうか。研究室配属の前に色々辞めたから実態をよく知らない

*4:改訂増補版は2015年

*5:そういう精神医療用語(ジャーゴン)があるらしい。

*6:「言われなくてもわかる」な人

*7:業界人たちのインタビューでは、取り組んでいる仕事と建築との縁が具体的に書かれているし、割と誰でも手に取るべきだと思うが。社会は意外と変奏曲で成り立ってるんだよって。

全体的な方針

長期的、大局的目標

・自分自身が空間とか魔術とかになる

・幸福と充実

 

中期的目標

・居たいコミュニティを探索し、そこに所属するか作るかする

・情報を集められる環境の構築

・自分なりのアウトプット法の模索

 

短期的な、または都度都度立てる目標

・各種資格試験の合格など

・数学、物理の復習

・建築の勉強、有名建築物の見学

・生きていると発生する雑事や事務の処理