五十嵐編「建築学生のハローワーク」

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建築士取ってからが本番」というありがちお説教ありがたいお言葉*1の真意を、具体例に触れつつ比較的少なめのSAN値低下と引き換えにざっくり確認できる本だと思う。

建設系に従事する人の数は500万弱らしい*2のだが、製造業でも建築関係と縁が深い会社も少なくなさそうなことを考えると、もっと多く見込めるはず。それら人々がどうやって働いているのか、学生や初学者だとイメージがしにくい*3ものだけど、この本は2009年時点での*4多様な働き方の例が多数取り上げられている。

ゼネコンからスピリチュアル系に転向した人の話もあって、非常に面白かったけれど、うーん…何も言えない、自分は霊障を観測できない体質だから…。

就活や転職をする建築勢に勧めたい本だけど、そもそも建築系でうまくやれるような認知能力*5をお持ち*6なら(自分はお餅ではないので買って読んだ)手に取らなさそうな感はある*7。そもそも建築系向けの就活本があふれてるってことは、「みんな困ってる」、つまり、社会では建築系のアカデミア出身人材や高度人材は飽和してて(社会問題など取り組むべき課題はあるらしいが)、絶妙に「いらない子」扱いされがちな現実の片鱗が見える。賢い就活生なら振り切ってスター建築家目指すか、「スコップを売る」ような仕事を新たに作るか、情報系を目指すかなんだろうな…

憂鬱になってきた。就活本を読んで深く考え始めると、そもそも建築系の大学出てない自分が建築業界で生き残る方法などどこにも無いことを突き付けられる。かといって建築諦めて情報系行ってもどうせ事情は変わらない。職場内では能力トントン同士が空気の読み合いで消耗戦してて、本当に疲れる。

第一線の研究者や技術者との人間関係形成に成功しているなら、正直、生活保護取得して好きに探究するのが一番割がいい。ただ、職場に身を置くメリットの一つに、鮮度と濃度と信頼性の高い情報を口コミレベルで手に入れられる可能性、が挙げられるだろうか。消費者レベルより質の高い情報を早く入手したいなら、働いたほうがいいのかもしれない。高度人材がいる職場で働いたことがないし、そういう世界の住人とは何年も連絡してないからわからないけれど。

*1:本の趣旨に寄せるなら「スターな意匠建築家以外にも建築学生の進路はたくさんあるよ」「建築士資格関係無くできる仕事も多いよ」が正しいけれど、つい愚痴を…

*2:

産業別就業者数|早わかり グラフでみる労働の今|労働政策研究・研修機構(JILPT)

*3:だから四季報とか業界研究本を読めって言われるのだろうか。研究室配属の前に色々辞めたから実態をよく知らない

*4:改訂増補版は2015年

*5:そういう精神医療用語(ジャーゴン)があるらしい。

*6:「言われなくてもわかる」な人

*7:業界人たちのインタビューでは、取り組んでいる仕事と建築との縁が具体的に書かれているし、割と誰でも手に取るべきだと思うが。社会は意外と変奏曲で成り立ってるんだよって。